第二次大戦直前、ナチやスターリンの台頭で近づいてくる軍靴の響きに怯える欧州で、国際諜報戦に巻き込まれながらも自動車レースに魅入られた一人の日本人青年の冒険活劇。あまりにも長く、上巻で中だるみがして読むのが面倒くさくなったが、下巻の途中からスピードが倍化し、一気に物語の終わりまで連れてってくれた。「なぜ革命に惹かれるのか?」という現代に生きる自分にはあまりにも遠い命題を、物語の終盤で著者は鮮やかに解いてみせる。その答えには普遍的なものを見出すことができ、充分に読者を納得させる力がある。革命という謎を解く壮大なミステリだと思えば、この半端ない長さも冗長ではない…かも?
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- 感想投稿日 : 2008年4月16日
- 読了日 : 2008年4月7日
- 本棚登録日 : 2008年4月16日
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