あらゆる意味でエピック時代の最高到達点。文学がロックたり得ることを、作詞の面、歌唱の面で証明している。この日常生活にあって、その生活の合間の感動、雑感における心情の機微がこんなにも美しいこと、それに胸を打たれる。メジャーシーンとチャート音楽を聞いている人には衝撃的な歌ばかり。ロックのアルバムというよりも、珠玉の短編集を読み終わったような聴後感がある。「男は行く」だけ大仰だが、あとは比較的に聞きやすい。「遁生」「偶成」「晩秋の一夜」は聞き所。老成する歌詞に歌唱が追いついていないので、中年以後のライブの方が身に沁みる楽曲群。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ロック
- 感想投稿日 : 2009年8月24日
- 読了日 : 2009年8月24日
- 本棚登録日 : 2009年8月24日
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