保育園義務教育化

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  • 小学館 (2015年7月1日発売)
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少子化と労働力不足。日本が抱える二つの大きな社会問題は、子どもを社会で育てる仕組みにして「お母さん」を家庭に縛り付けない仕組みを作れば解決に向かうのではないか。
そもそもベビーシッターに子どもを見てもらったり、保育園に子どもを預けることは不幸な行為ではない。小学校入学前の乳幼児期に適切な教育を受けさせることで、子どもたちの非認知能力が高まる。(非認知能力とは、社会性、意欲、忍耐力などの生きる力のこと。それらは集団のなかで高められる)
だから保育園を義務教育化して、各家庭に合わせた利用をしてもらえば「お母さん」は働くこともできるし、子どもの能力も高まる。いいことがいっぱい!

だいたい上記のような内容だった。

古市さんすごいなあと思いながら読んだ。国が本気で取り組んでこなかった少子化問題を解決できるならすごいことだし、良質な乳幼児教育を受けさせることは結果的に社会全体のプラスになるならみんなハッピー!古市さんの解説をウットリしながら読んだ。
この本が出たのは2015年、これを書いているのは2022年。状況はよくなっていない。ウットリしている場合ではないし、ハッピーではない。少子化は進む一方だ。

良質な乳幼児教育が人生成功の鍵になるとわかっているのに、受けさせていないというのはなんだか悲しいことに感じる。
(ここで言う人生成功とは、高校卒業率が高く、持ち家率が高く、所得が高く、逮捕率が低いことらしい)
少子化の時代にせっかく生まれてくれた子どもなんだから、人生成功者になってもらいたい。そう思った。

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若者のセックスについて書かれていた5章は蛇足だったのではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古市憲寿
感想投稿日 : 2022年1月9日
読了日 : 2022年1月9日
本棚登録日 : 2022年1月9日

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