Prime Readingにて読める藤井太洋氏のSF短編。この分量を「1冊読んだ!」と登録してしまって良いものか(笑
短編ながら、コミュニケーションとは何なのか、人間の価値とは何なのかを考えさせられる1冊(1編)でした。シンギュラリティという語が少しでも引っかかって、かつPrime会員の方ならぜひ一度読んでみてほしいです。
この物語の始まりは2023年。どう見てもペッパーとしか思えないパドルというロボット(ちなみにSBロボティクス社製。SBはスプリントブリューの略、だそうです…)が案の定不良在庫になっている世の中。
主人公達がペッパー…じゃない、パドルの上手い使い方を考案し、そこから話が発展していきます。
非常に役立つ機能を開発したものの、それって…?という話。
この物語の核は、非常にブラック。ただ、同時に非常に明るい未来を暗示しているようにも見えます。コインの表と裏のような。。
2045年のシンギュラリティを完全に嘲笑っていて、そんなんで世の中が回るんだったら今だってできるわ!とツッコミを入れたくなるような話で、我々が代替されてしまうんじゃないかと日々怯えている(?)AIって一体何なんだよ、と思ってしまう訳です。
ただ、これによって実現される世界は完全にユートピアな訳で、ある意味ではとっても素晴らしい未来です。
まさか、本著のような2045年が実現するはずはない!とは思います。が、日々の仕事を考えると本ロボットの機能で代替可能なコトはいくつかあるよなぁ。。
仮にそうなった時に、どちらに流れるのか。ひょっとすると、残った人たちだけで世の中は回していけるのか?
短編だけど、長編と同じ分量の感想が書けるくらいには考えさせられました(笑
- 感想投稿日 : 2020年7月24日
- 読了日 : 2020年7月24日
- 本棚登録日 : 2020年7月24日
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