蒼穹の昴(4) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2004年10月15日発売)
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本棚登録 : 4541
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最終巻。行きつ戻りつして1か月くらいかけて4冊読了しました。
クーデターに失敗した守旧派の面々は捕らえられ、文秀が日本に亡命したところで蒼穹の物語は幕を閉じます。続きは続編で。

運命を自らの手で切り拓いた春児。最後、幼い頃に戻ったような口調で文秀にすがるシーンに胸が痛くなった。
文秀と春児以外の登場人物も、誰にスポットを当てても物語の主人公になりそうなくらい濃い。個人的には王逸サイドのストーリーを見てみたいと思った。最後に毛沢東と出会うところもなんだか希望のあるラストで好きです。
あとミセス・チャンの正体にはびっくり。いい仕事する!!
また、物語の本編とは直接関係はないけど、会津人として日本国内で蔑視されて来た岡が、外国でも有色人種というだけで白眼視されることに気付いて涙するシーンにもらい泣きしてしまった。
ひとつ気になったのは春児の妹の玲玲。兄と生き別れ、婚約者の処刑を目の当たりにし、文秀には理不尽に折檻され、何もいいことなかったな…玲玲のおかげで文秀は大切なことに気づかされたわけだけど。続編で報われてくれたらいいんだけど。

一回ざっと読んだだけではそれぞれの思想や思惑を完全に理解することは難しかったけど、壮大な歴史ドラマを読み切ったという達成感でいっぱいです。宝塚版を見た後にまた読み返したい。どんなふうに舞台化するのか楽しみです。あとドラマも見てみたいな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代物
感想投稿日 : 2022年5月1日
読了日 : 2022年4月28日
本棚登録日 : 2022年3月8日

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