有川浩って人気作家の小説をひとつは読んでみたいなと思って、なんにも考えず新潮の100冊から選んだ。たぶん3ヶ月前までの自分だったら100ページぐらいまで読んで投げてたと思うけど、その題材だけに今の自分はそうできなかった、なぜなら僕がいま一番理解したいと思っている相手と同じ場所に彼女が立っていたからだ。
主人公のふたりが、すれ違いはあったにしても「ちゃんと」けんかしてるのがよかった。ふたりとも優しすぎだし、強すぎだし、なんだかんだお互い好きなんじゃんよっていう結局は胸キュン小説。やる気があれば1時間で読める。登場人物が少ないのがありがたい。流暢な関西弁。一番カッコいいのは二塁打の彼女。つまんないからもう口説いてあげない。
「痛みにも悩みにも貴賎はない。周りにどれだけ陳腐に見えようと、苦しむ本人にはそれが世界で一番重大な悩みだ。救急車で病院に担ぎ込まれるような重病人が近くにいても、自分が指を切ったことが一番痛くて辛い、それが人間だ」(p.175)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年7月29日
- 読了日 : 2013年7月29日
- 本棚登録日 : 2013年7月29日
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