人が話す、ということは、そんなに簡単なことではないのだということ。相手が、自分の気持ちを受け入れてくれる「大好きな存在」でないと、気持ちを伝え合うことなんてできないんだって。
我欲を捨てて、相手の心にできるだけ寄り添ったときに、そこに生まれてくるものが愛であり、それは限りなく美しいものである、と私には感じられます。同じ道を歩む人生の旅人として、葉の豊かな大樹のように、いつまでも快く相手を迎え入れ、相手に気後れも遠慮も感じさせず、自分のすべてを受け容れられたと感じさせるような状況を提供することが、医療者でも聖職者でもない、私たちにできる唯一のことではないでしょうか。
癒しの過程を考えてみると、それは、自分とか他人とか、癒す人とか癒される人であるという尺度を捨てることだと思います。もっと正しくは、「捨てる」というよりは「超える」ことである、と私は考えています。
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- 感想投稿日 : 2014年2月8日
- 読了日 : 2014年2月8日
- 本棚登録日 : 2014年2月8日
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