治部の礎

著者 :
  • 講談社 (2016年7月20日発売)
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石田治部少輔三成とは何者だったのか?
大河ドラマ 真田丸でも、強引な政権運営が目につく石田三成。
彼は何を考えていたのだろうか?

関ヶ原の戦いにおいて、西軍 豊臣方を率いで戦い、破れて処刑された。
豊臣方北条攻めの際にも、のぼうの城 忍城攻略に失敗した戦下手。
徳川家康が我が国を統一した以降の歴史では、良いとこ無しの武将として記憶されている石田治部少輔三成。

しかし、豊臣秀吉の家臣としては政権運営の要として、名だたる武将もバッサバッサと仕置きしていく姿が目につく。
いったい、石田三成はなぜそこまで権力を握ることができたのだろうか?
また、秀吉は彼に何を望んだのだろうか?

家康天下統一の前に、そのグランドデザインを描いたともいえる秀吉。
その政の中心にあった治部少輔の姿を丹念に描いた本作品を読むと、兵站を考えずに突き進んできた日本の軍隊、そして目先の利益しか考えない今の政治家、企業家の中に、石田三成のようにビシッと将来を見据え、自らを貶めてでも目標に向かって邁進する武将がいればなぁと思わざるを得ない。

真田丸で石田三成の印象が強い今、読むべき一冊だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2016年9月24日
読了日 : 2016年9月24日
本棚登録日 : 2016年9月24日

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