海兵隊とオスプレイ

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  • 並木書房 (2012年10月11日発売)
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米国海兵隊とV-22オスプレイについて、日本のマスコミの偏った情報とは無縁に、淡々と必要な情報が書かれている良書。

東日本大震災での実例が示すように、我が国が誇る精鋭自衛隊には、残念ながら水陸両用部隊が存在しない。だから、いち早く米国海兵隊が、被災した空港、破壊された港湾に先遣隊として入り、自衛隊と協力し救難活動を行い、自衛隊本隊を向かいいれた。

日本のような島嶼国家にとって、国土を防衛するためには、海、空両用で戦闘地域に上陸できる部隊は必要であり、自衛隊に不足している能力を米国海兵隊が補完する形となっている。

その海兵隊には当然移動手段たる船舶、ヘリコプターを含む航空機が必要となるが、従来使用してきたCH-46Eシーナイトが老朽化してきたため、退役させMV22-Bオスプレイへの置き換えを行っている。

東日本大震災で、機体に竜と書かれた海兵隊のヘリコプターの姿を写した映像を何度も目にした。そして、つい先日は同じく竜と書かれた沖縄に駐留する海兵隊のオスプレイが、フィリピン等の台風被災地で大活躍していた姿をまた目にすることとなった。
世界初のティルトローター機であるオスプレイの開発にもあたっては、少なくない事故が発生している。しかし、今は冷戦時代、ベトナム戦争時代のように、兵士の犠牲があっても最新の武器を使い続ける時代ではない。今のアメリカ軍は、できことなら一人の(アメリカ人の)死傷者も出したくない、だから非難されても無人機による爆撃を継続しているのだ。
偏向したマスコミが、古墳から掘り出してきたような、オスプレイ危険神話を鵜呑みにしてただ恐れるのではなく、オスプレイの有用性、安全性について正当に評価することも、正しい情報公開だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 実務書
感想投稿日 : 2013年12月10日
読了日 : 2013年12月10日
本棚登録日 : 2013年12月10日

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