桜の木の見える場所 (児童単行本)

  • 小学館 (2019年11月20日発売)
4.14
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本棚登録 : 87
感想 : 13
3

この本を選んだのは、関口英子さんの訳が読みたかったから。原書はイタリア語なので読んでいないけれど、関口さんの訳は無駄がなく本当に読みやすい。
日本語訳に関してなら☆5なのだが、お話の中に理解し難い場面があったので3。
それは、主人公マファルダがクラスメートたちの持ち物を盗み取った件。人のものを盗むことについて、まったく罪悪感なく普通に語っているのに衝撃を受けた。以前は仲良しだったキアラは、確かにちょっとイヤな感じの子だと思うが、だからと言って彼女のものを盗んで良いことにはならないだろう。盗んだことがいつバレるのか、それともいつか返すのか、と気になりながら読み進んだが、そのような記述は無かった。
逆に、マファルダは、他のクラスメート男子に虫眼鏡を騙し取られている。こちらも最後まで返されることは無かった模様。人のものを取っておいて何も感じないのかこの子たちは?!
難病に冒された少女が徐々に視力を失っていくという、作者自身の体験をもとにして書かれた作品で、普通に読めば感動モノなのだろうが、残念ながら今ひとつな読後感となってしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月3日
読了日 : 2020年7月1日
本棚登録日 : 2020年7月3日

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