ベルクソンがコレージュ・ド・フランスで行った、「時間観念の歴史」に関する講義録である。遺言で、自身が示した著作以外の公刊を禁じたベルクソンだが、すでに講義録や書簡集が刊行されている。本書は、そのなかでも、プロの速記者による筆記録を基にしているという点で傑出しており、ベルクソンの息づかいまでが聞こえるような内容にまとまっている。
とりわけ、難解な問題を分かりやすい喩えで説明する、ベルクソンならではの語り口で、読者は「時間」という問題に引き込まれていく。
本書では「持続」などのキーワードが哲学史のなかで位置付けられているため、ベルクソン哲学の入門書としても適切である。
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- 感想投稿日 : 2021年11月14日
- 読了日 : 2021年11月14日
- 本棚登録日 : 2021年11月14日
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