昨年末、少し足を伸ばして、念願だった松江のartosbookstoreさんを訪問してきました!
いやー、いい本屋さんだった。
正味1時間弱滞在し、じっくり本を選んで、手元にやってきたのが、こちらの『森の生活』(上)です。
著者のヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817-1862)は、アメリカの「詩人博物学者」(本の著者紹介より)。
本書は彼が、マサチューセッツ州ウォールデン湖のほとりに小屋を自力で建て、1人で暮らした2年あまりの日々の記録です。
文章の合間にはソローが撮影したウォールデン湖や森、近くの村の写真が数多く収録されていて、その写真の静謐な佇まいと、岩波文庫のキリッとした装丁がとても美しいんですよね。
はい、つまりはジャケ買いだったわけです。
はりきって買った割には、古典特有の文章に苦戦しつつ、なんとかまず上巻を読み終えたのが正直なところなのですが、そうした中でも目に飛び込んできたのが次の2つの文章。
「われわれは家を美しいもので飾る前に、まず壁をはがし、生活をはがし、美しい家屋管理と美しい生活とを土台として築くべきである。」
「……私の暮らし方には少なくともひとつの強みがあった。つまり、自分の暮らしそのものが楽しみであり、いつも新鮮さを失わなかったことだ。」
私自身は少しもアウトドア志向ではなく、むしろ「時短○○」といったものが大好きな人間なのですが。
でも、「時短」して生み出した時間を何に使っているか、とか、「時短」している最中がそもそも時間の使い方として美しいのかどうか、ということも大事だよなあ。
そんなことを教えてもらった気がします。
素敵な本なので、あえて少し時間をおいて、ゆっくりまた下巻にも向き合ってみたいと思います。
- 感想投稿日 : 2021年2月18日
- 読了日 : 2021年2月16日
- 本棚登録日 : 2021年2月16日
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