森の生活 上: ウォールデン (岩波文庫 赤 307-1)

  • 岩波書店 (1995年9月18日発売)
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本棚登録 : 1683
感想 : 91
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昨年末、少し足を伸ばして、念願だった松江のartosbookstoreさんを訪問してきました!
いやー、いい本屋さんだった。
正味1時間弱滞在し、じっくり本を選んで、手元にやってきたのが、こちらの『森の生活』(上)です。

著者のヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817-1862)は、アメリカの「詩人博物学者」(本の著者紹介より)。
本書は彼が、マサチューセッツ州ウォールデン湖のほとりに小屋を自力で建て、1人で暮らした2年あまりの日々の記録です。
文章の合間にはソローが撮影したウォールデン湖や森、近くの村の写真が数多く収録されていて、その写真の静謐な佇まいと、岩波文庫のキリッとした装丁がとても美しいんですよね。
はい、つまりはジャケ買いだったわけです。

はりきって買った割には、古典特有の文章に苦戦しつつ、なんとかまず上巻を読み終えたのが正直なところなのですが、そうした中でも目に飛び込んできたのが次の2つの文章。

「われわれは家を美しいもので飾る前に、まず壁をはがし、生活をはがし、美しい家屋管理と美しい生活とを土台として築くべきである。」
「……私の暮らし方には少なくともひとつの強みがあった。つまり、自分の暮らしそのものが楽しみであり、いつも新鮮さを失わなかったことだ。」

私自身は少しもアウトドア志向ではなく、むしろ「時短○○」といったものが大好きな人間なのですが。
でも、「時短」して生み出した時間を何に使っているか、とか、「時短」している最中がそもそも時間の使い方として美しいのかどうか、ということも大事だよなあ。
そんなことを教えてもらった気がします。

素敵な本なので、あえて少し時間をおいて、ゆっくりまた下巻にも向き合ってみたいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月18日
読了日 : 2021年2月16日
本棚登録日 : 2021年2月16日

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