第二次世界大戦中、ドイツ占領中のフランスでナチスの捕虜になった女性スパイの手記から始まる物語。
その手記では、なぜか自分の親友の視点から見たストーリーと自身の過酷な捕虜生活が交互につづられていき、ところどころ奇妙な太字や傍線が引かれている。
そして第二部では、その親友が本当に書いた手記となっており、第一部の手記の伏線が徐々に読者と登場人物たちの前で明らかになっていく。
この二段構えの饒舌なプロットは作者の思い通りのミステリ的効果を生んでいるが、それよりも、戦場でお互いを慮る女性同士の友情と、戦争が生んだ悲劇を乗り越えようとするそれぞれの思いが読者の胸に強く突き刺さる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学・評論
- 感想投稿日 : 2019年1月16日
- 読了日 : 2019年1月13日
- 本棚登録日 : 2018年12月1日
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