暴行された女性の遺体が入江で発見され、その3歳の娘は遠く離れた町で一人で歩いているところを保護された。いったい何があったのか…
レイプ殺人は単に被害者の肉体や生命を奪うだけでなく、そのプライバシーや尊厳をも破壊する。派手な展開はなく、捜査の過程が地道に描かれる重苦しい作品だが、次第に明らかになっていく被害者や容疑者の多面性が深く、物語に深く引き込まれた。
ウォルターズの作品は毎回ヒロイン造型が素晴らしいと思う。この作品ではそれほど突出した存在ではないが、彼女の再生が重く辛い物語に一筋の光を与えており、読後感は辛いばかりではなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ海外
- 感想投稿日 : 2012年3月2日
- 読了日 : 2012年3月2日
- 本棚登録日 : 2012年3月2日
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