計算方法や意味は分かったつもりでも、なんとなく使うたびにいつももやっとしている仮説検定についてより深く理解できるかと思い購入。
統計の哲学という題名のとおり、哲学の本なのであるが、統計というなじみの深い題材であること及びわかりにくい用語や概念がほぼ出てこないことから、社会哲学の本と比べて圧倒的にわかりやすく、かつすらすらと読むことが出来た。
正直前半の節は、興味深い洞察と思いつつも、哲学っぽいまだるっこしい議論だと思ったが、7節のAICの話は非常に興味深く勉強になった。
モデル選択と聞くと、モデルAとBのどちらが、物理的真理、つまり現実の世界を表す・一致するという意味で正しいかを決めるかのように考えてしまう。
しかし、そもそもモデル化の目的は予測であり、1万個の結果を表現するための1万個のパラメータを持ったモデルが、パラメータが数個のモデルよりデータとの一致度が高くても、予測において役に立たなければ意味がない。
AICが、この意味で、モデル※の予測の正確性を算出し、モデル間の比較を可能とするものであるという説明は、データを基にしたモデルの評価に一定の解を与えるものであり、読んでいて非常にすっきりした。
※統計学的な意味のモデルであり、数式構造のみを規定し、パラメータの値自体は確定していないもの。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
数学
- 感想投稿日 : 2020年3月8日
- 読了日 : 2020年3月8日
- 本棚登録日 : 2020年3月8日
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