コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2017年3月18日発売)
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本棚登録 : 427
感想 : 50
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 第2次世界大戦中に、ドイツのとある場所にイギリスからのスパイの女性が囚われる。彼女は激しい拷問のうえ、暗号を伝え、さらにイギリスのことを書き記すように紙を与えられる。
 彼女はそこにマディと呼ばれる女性飛行士の物語を3人称で語り始める。1週間という期限内に書くこと。その間は生きられることが保証される。しかしながら、彼女の状況は過酷であり、最後まで書き進めることができるか非常にあやうい。

 彼女の手記と彼女の状況が挿入されるのが1部、そして2部と読みすすむと、なんというか、奇跡だなぁと思う。実にフィクションだ。
 物語の中で彼女らが生きていたこと。戦争という非日常の世界で日常があったことを考えさせられる。
 しかし、実に魅力的なヒロインらだ。

 正直、1部は読みつらくなかなか読み進めにくい、けれども2部に入ると一気に読みやすくなる。そして読み終えると1部から読み返したくなる。そんな物語。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・エッセイ
感想投稿日 : 2017年8月16日
読了日 : 2017年8月16日
本棚登録日 : 2017年8月16日

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