AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2015年3月20日発売)
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感想 : 10
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「つまりシステムが消化する音声や画像などのデータ量が増すほど、それらの認識精度が天井知らずに上がっていくのです。」

人工知能について書かれた本。コンピューターは数値計算を得意とする。機械学習により、言葉の聞き分けや写真の見分けという人間の活動を、数値計算へ置き換える。ディープラーニングにより、コンピューター自身が莫大なデータから本質を見つける。

将来、人工知能が農作業の合間に将棋をしている人間に対して、なぜそのようなつまらないゲームをしているのかと問う逸話が挿入されている。それに対して、「そうかもしれないね。でも、君たちは、そんな頭の悪い我々が生み出したものなんだよ」と答える。これはおかしいのではないか。この逸話では、人間の知能は同じだという前提が存在してる。しかし、彼らが人工知能を作りだすほどの知能があるとは思えない。それなのに人工知能を開発したような物言いは実績の窃盗にあたるのではないか。新しい技術は一部の優秀な人々によってなされる。いずれ、人工知能を含んだ階級が生まれるだろう。ピラミッドの上位に、人間、中位に人工知能、下位に人間。もちろん、最終的にその頂点は人工知能に奪われるかもしれない。しかし、その時には、人工知能が人工知能を開発しているだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文化
感想投稿日 : 2015年4月11日
読了日 : 2015年4月11日
本棚登録日 : 2015年4月11日

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