ホンモノの思考力 ―口ぐせで鍛える論理の技術 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2003年7月17日発売)
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本棚登録 : 647
感想 : 74
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樋口先生の「ホンモノの文章力」に続いて「ホンモノの思考力」に挑戦。

OUTPUT にも書く話すございまして、どちらも鍛錬が必要なのは確かです。

書く方はある程度見直しの時間もありますし、自分用のメモや日記からでも練習を始められるということで、私はどうしても話す方が敷居が高く感じられます。即興性があって考える時間が少ないですからね。弁の立つ人は本当に頭が切れるなと。ただ、おしゃべりな友人は話すのなんて毎日するけど気どった文章は書かん!ヘマをしても挽回できるけど、文章は証拠が残ってしまうじゃないか!ということで、人それぞれではあるのでしょう。

「ホンモノの文章力」でも小論文上達の「型」を指導していたように、本書でも著者独自の方法論で、知的に見える話し方やするどい質問の仕方を伝授します。まずは思考法の「型」を身につけ、かっこつけて背伸びしてみましょう。「ホンモノの思考力」はきっとあとからついてきます。

具体的な戦術は以下の通りです。
・身の回りの出来事にノーと言うことで、問題発見能力を養う。
・「メモの型」と「論述の型」を身につけ、口癖にしてしまう。
・他者の意見も「メモの型」と「論述の型」にあてはめ理解する。
・他者への質問は「メモの型」をベースにする。
・他者への反論は「メモの型」と「論述の型」両方が使える。
・だまされやすい論理トリックをのパターンを知り、見破る。

例文もたくさん掲載されています。たしかに付け焼き刃ながら見事に「知的っぽく」なっているので、おお〜これは使える!とわくわくしてしまいました。著者の主張どおり、まずは「型」に当てはめ、徹底的に真似をする過程で自分の成長もついてくるはずです。ガイドの「型」が必要でなくなる頃には、きっと自由自在に弁を振るうことができるようになると信じましょう。

その他にも、より個性的に見せる高等技術や、禁じ手で相手を言い負かす方法もまとめられています。ぜひ一読をお勧めいたします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ・読書術 発想法
感想投稿日 : 2012年1月9日
読了日 : 2012年1月4日
本棚登録日 : 2012年1月4日

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