イギリス名作短編集

  • 近代文藝社 (2003年2月1日発売)
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感想 : 3
3

■図書館より。
■20年前の本だが、訳文が妙に古く感じた。ただ、いろんな人の訳文を読む経験にはなったと思う。
■英米文学といっても、「人生のほろ苦さ」的なものを求めているので、教訓的なものはあまり魅力を感じなかった。やはりわたしが求めているのは、ここに収録されているものよりももう少し時代がくだったものかもしれない。
■一番よかったのはヒュー・ウォルポール「版画」。版画というものが、美なり真に価値あるものなり、何らかの暗喩になっていて、それが生活に入ってきたがために夫婦関係は壊れてしまう。現代でも、フィギュアや鉄道模型などを集める旦那さんのコレクションを奥さんが勝手に捨ててしまい関係が悪化してしまう、ということがあるが、あれはたんに模型を捨てられたことよりも、自分が価値をおくものとして尊重してもらえないことに怒り傷つくのかもしれない、とこの作品を読んで思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 9類(文学)
感想投稿日 : 2023年1月5日
読了日 : 2023年1月5日
本棚登録日 : 2023年1月5日

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