心に何か思いがある時、
誰かの言葉(詩集)はひどく胸に染み入る。
心に何もない時は
詩集の存在さえ目に付かない。
・・・という事は、今は胸のなかに思いがあるんだな。
そっと、書店の棚からこの詩集を抜き取った時、
何となくそう思った。
銀色さんの詩と風景写真のコラボ集。
開けたドアの向こう側には
ただ風に揺らいでいる花々や
遠ざかる空、
押し黙る家、
この地上のどこかにはあるが、
恐らく一生すれ違う事も
目に触れる事もない、
それでも何も変わらない
(ただの)風景が広がっていた。
向こうは私の事を何も知らない。
その事実が逆に
私の意識を軽くしてくれるかの様な気がした。
そして、
ぽつり
ぽつり
と
語られる
銀色さんの言葉らしからぬ
詩から聞こえてきたのは
とにかく
「伝えること」
だった。
もしもまだ、それが言葉として形になってない場合は
「この傷絆創膏を・・・」
貼るようにと、手渡された様な詩集だった。
(もちろん、心用です。)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年12月9日
- 読了日 : 2012年12月9日
- 本棚登録日 : 2012年12月9日
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