とにかくあてもなくてもこのドアをあけようよ (幻冬舎文庫 き 3-5)

著者 :
  • 幻冬舎 (2003年8月1日発売)
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感想 : 30
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心に何か思いがある時、
誰かの言葉(詩集)はひどく胸に染み入る。

心に何もない時は
詩集の存在さえ目に付かない。

・・・という事は、今は胸のなかに思いがあるんだな。
そっと、書店の棚からこの詩集を抜き取った時、
何となくそう思った。

銀色さんの詩と風景写真のコラボ集。

開けたドアの向こう側には
ただ風に揺らいでいる花々や
遠ざかる空、
押し黙る家、
この地上のどこかにはあるが、
恐らく一生すれ違う事も
目に触れる事もない、
それでも何も変わらない
(ただの)風景が広がっていた。

向こうは私の事を何も知らない。
その事実が逆に
私の意識を軽くしてくれるかの様な気がした。

そして、

ぽつり
ぽつり

語られる
銀色さんの言葉らしからぬ
詩から聞こえてきたのは

とにかく
「伝えること」

だった。

もしもまだ、それが言葉として形になってない場合は
「この傷絆創膏を・・・」

貼るようにと、手渡された様な詩集だった。

(もちろん、心用です。)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年12月9日
読了日 : 2012年12月9日
本棚登録日 : 2012年12月9日

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