レンタルマギカ 魔法使いのクラスメイト (角川スニーカー文庫 177-9)

著者 :
  • KADOKAWA (2006年12月28日発売)
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本棚登録 : 555
感想 : 14
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「なぜって、しちゃいけない理由でもあります?」
水の都ヴェネツィア。情緒あふれるこの地を訪れたのは、もうひとりの〈妖精眼〉を持つケルト魔術師・フィン。しかしゴンドラ乗りの少女とフィンの夢のようなひとときを1発の銃声が打ち破った、わーーーーー


9巻目。「学校」をメインにした短編集。
基本一冊完結、基本約300ページの厚み、数冊おきに短編集でキャラの掘り下げ、という気軽さが良い。特にこの辺になると登場人物も増えてくるので、それぞれ軽く掘り下げたり表面を撫でるような話を貰えることによって、キャラの解像度があがってすんなり読み込めると思う。深く考えさせられたり長時間没頭できる作品もいいけど、さらっと読んでいける作品も必要。
「魔法使いと神隠し」はあとがきにもあるように貸し出し魔法使いという設定らしいお話で良かったなと思う。いつきにまつわる大事件ばかりでなく、アストラルには細々した事件なんかも普通に扱っていてほしい。(探偵事務所の猫探しみたいな)
フィンの短編には驚いた。この人も掘り下げるんだ、と。でもあとがきで『なりそこないのもうひとひの主人公』と話されていたので、そういうことなんだなーと。レンタルマギカの話は、常識のすり合わせを少しずつ行なっている話だと思っているので、フィンのようにあっち側の常識で物事を考えるキャラがすごく好き。ラウラとの絡みは、お互いにお互いを見ていないところが切なくて良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: シリーズ - レンタルマギカ
感想投稿日 : 2021年4月18日
読了日 : 2021年4月18日
本棚登録日 : 2010年5月30日

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