京都で買った100円新書の一冊。
未来の予測できる美人作家の姉が殺害された後、精神的なショックで長く入院生活を余儀なくされた妹。しかし世間に再び姿を現した妹はかつての姉と瓜二つ。黒い衣服や長い黒髪、姉同様に未来を見ることができるようになっていた。だが、十年ぶりに開かれた同窓会のパーティの夜、彼女は首を絞められて殺されてしまった…
被害者と同級生だった深雪の旦那、叶とその双子の兄弟響が活躍するシリーズの第二作目。同窓会に夫婦で参加するつもりだったのに、旦那の叶が盲腸をおこして入院。双子の弟響が兄の、深雪の旦那のフリをしてパーティに参加するあたり、あるいはちょっとわざとらしい会話は子供のころ読んだ赤川次郎を思い出した。いや、むしろあだち充の『タッチ』が近いか。兄弟の関係は、そうだ、達也と和也に近い! 『タッチ』ファン必読。
それはともかく、本格推理ものとしてはよくできていて感心した。犯行に使われたトリックの必然性には説得力があって無理がない。謎解きの直前に「読者への挑戦状」を突きつけるあたり、作者にも相当の自信があったのであろう。その挑戦状にも嫌みがない。この出来ならもっともだと思った。
こうなってくると第一作『殺人方程式I』も読みたくなる。荷物に入っているのだろうか? それはそうとカッパノベルスの表紙のデザインはずーっとかわんないなぁ。ちょっと古くさいよ。
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- 感想投稿日 : 2004年10月5日
- 本棚登録日 : 2004年10月5日
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