映画への熱き思い、
ただ好きだという気持ちを
これほどまでに真っ直ぐに言葉にできる原田マハさんが羨ましい(>_<)
読み終えた後に感じる
本当にいい映画に出会えた時の
高揚感と興奮と充足感、
そして誰かに話たい気持ち。
自分も映画が好きで
高校時代は授業サボって
映画館で3本立てを観て
クラブまでの空き時間をつぶすのが
日課になってました(笑)(^_^;)
目指すは
本作の名画座「テアトル銀幕」と同じように、
薄汚れた路地裏に
ひっそりと佇んでるような
昭和の香りが
プンプンする映画館。
今ではほとんどなくなった
手書き看板の味のある絵。
あの輝くスクリーン。
ポップコーンのバターの香り。
映画が始まる前の
『ビィー』という
ブザーの音♪
映写機から出る光の反射ぐあい。
見るものすべてが新鮮で
背伸びしたい年頃の少年にとっては、
「今から俺は
あの甘い闇の中で映画を観るんだ!!」
っていう、
ドキドキ感こそが
大人の世界を垣間見せてくれる
未知への扉であり、
もうたまらない魅力だったのです(^_^)
映画ファンなら
ヨダレたらたらな小説だけど、
なんと言っても
ゴウちゃんのキャラがいいのです(笑)
ギャンブルにうつつを抜かし
心臓を患い借金まみれになっても
娘に千円借りて
映画館で映画を観ようとする(笑)
まるで少年トトのような
どうしようもない歩の父ゴウちゃん。
ゴウちゃんと
謎のローズ・バッドとの
映画で繋がれた絆には
ホンマ泣かされたし、
ゴウちゃんが書いた
「フィールド・オブ・ドリームス」のレビューの素晴らしさよ。
自分自身亡き父とのキャッチボールが
鮮やかに浮かんできたし、
文体こそ人なりを
コレ以上に体現したレビューがあっただろうか。
レビューとは
誰かに伝えたくてムズムズする思いを
文章から感じられなければ嘘だ。
文章が上手い下手なんか関係ない。
好きが詰まった文章、思い入れたっぷりのレビューに
自分は惹かれるのです。
自分も批評ではなく、映画や文学への
「好きな思い」を
ゴウちゃんのように
ただ伝えていきたい。
しかしマハさんってばスゴいなぁ〜
映画と文学、
二つの神様の存在を感じずにはいられない小説って
なかなかないですよね(笑)
- 感想投稿日 : 2013年5月2日
- 読了日 : 2013年5月2日
- 本棚登録日 : 2013年5月2日
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