神さまのビオトープ (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社 (2017年4月20日発売)
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本棚登録 : 8072
感想 : 588
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昨日の凪良ゆうさんのトークイベントで語られた本作。凪良さんの文芸作品デビュー作。
「それまでの作家キャリアで培った必殺技をこれでもかとつぎ込んだ」そうだが、発売時は全く部数が伸びず、2年ほど経った頃、紀伊国屋書店の小柳さんの後押しがきっかけで、ヒットしたのだという。

気になったのでイベント会場で購入して、一気に読んだ。たしかに、ラストのサプライズや読み手をミスリードする手法が織り込まれている。
しかし注目したのは、「流浪の月」「汝、星のごとく」の原点がまさしくここにあるということ。後の凪良作品を貫くテーマが散りばめられている。

「根本的に人と人は分かり合えないと思っている。だから人と人が分かり合おうとする過程を大切にしてきた。どうすれば分かり合えるか考える過程こそが大事。そして、分かり合えたと思ったらまた離れる、その繰り返し。この点と点の積み重ねが人間関係なのだと思う。私の作品では、特別大きなことは何も書かない。ただ人間の心の動きにしつこいほど焦点を当ててきた。そういう小さなことだからこそ読み手の心に食い込むことができるのではと思っている」

そう凪良さんが語った言葉を反芻しながら読んだ。 

#凪良ゆう
#本屋大事
#流浪の月
#汝、星のごとく

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年11月11日
読了日 : 2022年11月10日
本棚登録日 : 2022年10月18日

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