ミステリー作家串田寥生の考察 (キャラ文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2011年5月25日発売)
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本棚登録 : 225
感想 : 24
4

楽しみにしていた「眠る劣情」のスピンオフです。迷脇役だった久緒さんメイン、編集の神凪守の視点から描かれていて、久緒静――ペンネーム串田寥生の職業にふさわしく、ミステリー仕立てです。

冒頭から、串田のぶっとんだキャラが炸裂。守はゲイで彼に片想いだけど、公私にわたって振り回されてとんだ迷惑被ってます。
串田のセリフがいちいち笑えます。守との会話が夫婦漫才!串田も頭の回転が早いけど、それを迎え撃つ守のツッコミも大したもんだと思います。
ミステリー作家串田の新作構想は、孤島で起きる連続殺人事件。横溝チックですね。
そして、主役キャラの探偵は「からくり人形探偵内野」!!だそうです。いいですね、受けました…モデルは言うまでもなく、あの内野みたいです。

その作品の取材ということで、串田は嫌がる守を言いくるめ、彼の生家がある瀬戸内海の小島に向かいます。その様々な古い因習が残る島で、串田と守は事件に巻き込まれてしまうんですが。

夜光花センセお得意のミステリー調で、謎解きとしても楽しめるストーリーです。
最後に意外などんでん返しもあります。
でも、ここでの見所はやっぱり串田の突き抜けた魅力!「眠る劣情」の時からものすごく面白い人だなあと思ってましたが、今回出番が多いのに比例してその魅力が倍増してます。

恋愛面ではそんな二人なので、ラブもエロもそこそこって感じです。串田の性格を考えれば、かなり守は苦戦しそうです。でも、そんなこと気にならないくらい楽しめました。ひょっとして、評判がよければ続編が出るのかな?ぜひ、二人の仲を進展させて欲しいです。
高階絵師のイラストすてきでした。表紙は夜光センセもおっしゃってるように、ほんとにミステリー小説のコーナーに平積みしてあっても不自然じゃない感じです。帯のセリフはBLだけどね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 夜光花
感想投稿日 : 2011年5月30日
読了日 : 2011年5月30日
本棚登録日 : 2011年5月13日

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