千年の眠り花 (DARIA BUNKO)

著者 :
  • フロンティアワークス (2009年5月13日発売)
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本棚登録 : 103
感想 : 8
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心と躰の痛みが理解できない男、零飛のせいでとんでもない目にあっている蒼です。
零飛は愛情表現も歪んでいますね。愛人に3ヶ月で飽きるらしいのが、蒼とかれこれ8年も続いていると聞いただけで拍手。ひとえに蒼の忍耐の賜物なんじゃないかなと思います。アソコを噛まれても全然平気な零飛に、なんとか人間らしい痛みを取り戻させたい蒼ですが、どんどん深みにはまっている感じ。

蒼も大変ですが、今回もっとかわいそうなのがウーです。子供だったウーも、斎に片想いし続けたまま16歳に成長。斎を零飛のお遊びから助けるために、試練の連続。斎に触れたいけれど触れちゃいけないと、苦悩する姿がせつなすぎ…ちょっと、ウーには同情してしまいました。

上海と東京を股にかけ、中国マフィアや、あやしいビジネスの駆け引きをめぐり、かなりハードでスリリングなストーリーになってます。
そして、激しいエロ。お仕置きのSMシーンは濃厚。覚悟を決めている?蒼ですら、ちゃんとついていくのは大変そうな零飛のムチャブリがパワーアップしています。それに巻き込まれた鷹羽やウーはもっと迷惑だよね。
しかし、そんな零飛に女が出来たかもしれないと嫉妬して、悶々とする蒼はいじらしいです。「結婚して子供も」なんて強がりを言っちゃうあたり、好きな気持ちが丸見えで。

蒼の愛によって、痛みを感じることができそうな零飛ですが、そうなると黒社会でも、ビジネスでも、今までのようには生きていけない気がして、それはそれで心配です。

ウーのフォローは、今後また後日談があるみたいなので、ものすごく楽しみにしています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 沙野風結子
感想投稿日 : 2011年4月28日
読了日 : 2011年4月28日
本棚登録日 : 2011年2月25日

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