情報セキュリティの敗北史: 脆弱性はどこから来たのか

  • 白揚社 (2022年10月12日発売)
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感想 : 18
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# 情報セキュリティに対して、古来より続く悲しみの歴史を垣間視る

## 面白かったところ

- 人類がなかなかセキュリティ・インシデントに勝てない歴史が面白かった

- 組織としてセキュリティレベルを上げるのは必然だが、それにはコストが相応してかかる。という点が遥か昔から言われていた点

## 微妙だったところ

- 細かく歴史を深ぼってくれたのは良かったが、長かった

## 感想

結局のところ、情報セキュリティは人間にとって直感的に分かりづらく難しいものだと改めて理解した。

ドアの鍵を閉めないと、誰でも侵入できることは幼稚園児にも理解できる。ただ、論理的なコンピューターとなるとなかなか理解が捗らない。

情報セキュリティの知識を教育しようにもコストが掛かるわけで、コストを掛けたところで特別なインセンティブが無い。

この二重苦を乗り越えるための答えを、まだ人類は見つけ出せていないようである。

ソフトウェアパッチを充てることができないターゲットは人間の脳であり、ハッカーたちの的になっている。
この文章を見たときに、我々が知るべき本当の知識とは、情報セキュリティの教養ではなく、人間自身ではないかと改めて胸を打った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年4月24日
読了日 : 2024年4月24日
本棚登録日 : 2023年10月14日

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