記号論への招待 (岩波新書 黄版 258)

著者 :
  • 岩波書店 (1984年3月21日発売)
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本棚登録 : 1120
感想 : 76
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ある本で紹介されていたこともあり、読んでみました。
「記号」とは何かを示すために、主に「言語」の「記号」性を明らかにしていくことで、説明が進んでいきます。
抽象的な部分が多く、理解が難しい部分も多いと感じましたが、具体例を交えることで、理解しやすくしてくれている部分もあります。

おそらく、著者が最も言いたいのは、最終章の「記号論の拡がり」の部分。
それまでの章は、最終章に向けてのおぜん立てのようにも見えます。
最終章は、若干「記号論」から離れているようにも思えましたが、読み応えがある内容でした。

「記号」については、当然のことながら、人間にとっての「記号」を中心に説明しているのですが、実は、動植物も「記号」を利用していることに、気づかされました。
もちろん、動植物が利用する「記号」は、人間が利用する記号とは異なり、もっとシンプルなものではありますが。

この本によれば、人間の営みは、ある意味、すべて「記号」である、と言えると思います。
また、そのような視点を持つことは、物事を捉える上での客観性の確保に、かなり役立つように思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館で借りた本
感想投稿日 : 2024年2月25日
読了日 : 2024年2月25日
本棚登録日 : 2024年2月25日

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