私はフェミニストだと、胸を張って言いたい。
けれど、フェミニストというのは強く賢く独立している完璧な人(近年フェミニストとして有名なエマ・ワトソンなどはまさにぴったりに思える)というイメージが私の中にあり、だらしない自分などが名乗ってはいけないと思ってしまう。
この作品で、著者は自身を「バッド・フェミニスト」と呼ぶ。
時には女性蔑視の文化をそれと知りながら楽しんでしまうことなども正直に書かれていて、読んでいて胸のつかえが取れるようだった。
様々な音楽や映画を題材に書かれており、多くを知らなかったことは残念だが、充分楽しみ、考えることの出来た作品だった。
また、著者が黒人であることから人種差別にも多く触れられている。
昨年読んだノンフィクション「キッド 僕と彼氏はいかにして赤ちゃんを授かったか」で「グッドゲイ」という一見ポジティブな差別を知ったのだが、今作で「マジカル・二グロ」という差別を知ったことでより敏感に考えていけるのではと思う。
フェミニストだと宣言することは、やはりまだ私には難しい。
けれど、フェミニストでありたいと思います、勉強中です、とはせめてはっきり言いたい。
誰より、自分に対する宣言として。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年4月15日
- 読了日 : 2017年4月15日
- 本棚登録日 : 2017年4月3日
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