風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫 52)

  • 岩波書店 (2000年7月18日発売)
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感想 : 125
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メアリー・ポピンズ。
私はこの本について、これまで「傘で空から降りてくる家庭教師」という知識しかなかった。
今度ミュージカルを見る予定なので、予習のつもりで読んでみました(私はストーリーが頭に入っていないと舞台を楽しめないたちであると、最近気付いた)。

メアリー・ポピンズに子どもたちがなついているということから、私はてっきり、メアリー・ポピンズってすごく優しい人なんだろうな~と思っていた。
でもその認識は間違い!本を読む限り、メアリーは子どもたちが質問しても答えない、しらんぷり、ツンケンして冷たいような、イケズな印象を受ける。そして、自分が映ったショーウィンドウを見ているのが大好きな自惚れ屋でもある。
でも、彼女と一緒にいる子どもたちには不思議なことが次々起こる。
笑いガスに満たされた部屋で宙に浮いてのお茶会。
磁石を使って世界一周旅行。
満月の夜、動物園で動物たちが人間のように振る舞うメアリーの誕生日会。
クリスマスショッピングで出会う星座の女の子。
子どもって、「優しい人が好き」「甘やかしてくれる人がすき」なのではないんだったなぁ、おもしろいことを体験させてくれる人が好きなんだなぁ。
マイケルが「世界中で、メアリー・ポピンズだけいれば良いんだ」と言うほどに。特に男の子はそうかもしれない。子どもの冒険心を満たしてくれる存在、それがメアリー・ポピンズ。

メアリーの前では双子の赤ちゃんが大人みたいに会話しているシーン。
「赤ちゃんがこんなふうに考えていたら、話していたら面白いよね」って妄想を一度はしたことがあるであろう、多くの親たちに。
メアリーは大人の想像力だって満たしてくれる。

メアリーが去ったときのジェインとマイケルの絶望感、私もその気持ちを共有した。
そして「オー・ルヴォアール(また会う日まで、という意味らしい)」。

これは舞台が楽しみだ。
映像化作品も見てみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童文学
感想投稿日 : 2022年3月28日
読了日 : 2022年3月28日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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