雨夜の星たち (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店 (2021年6月9日発売)
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本棚登録 : 2293
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損保会社を退職してから、アルバイトとして高齢者の病院の送迎やお見舞い代行をするようになった三葉雨音(あまね)。
三葉は、他人の気持ちが分からないわけではないけど、察することをしない。人に踏み込むこともしない。
昔読んだ本「嫌われる勇気」、アドラー哲学を思い出した。

損保時代の同僚である星崎くん。その母親。
仕事を指示してくれる霧島。その彼女のリルカ。
仕事の相手である人たち。
病院で出会う少女とその母親。
三葉自身の母と姉。
三葉に対して腹を立てたり、失礼な人だと面と向かって言う人もいるし、そういう三葉を受け入れる人もいる。

私にとって三葉は、たまに会う知り合い、お金で仕事を依頼する相手としてなら平気だけど、たしかに家族だとイライラするかもなぁ。
家族って、「=自分」なんだな、わたしは。この本を読んでて、他人には広い心でいられるのに、家族には狭量である自分を思い、自分が少し嫌になってしまったな。
家族についても、全く期待せず、何も求めないでいられたら楽なんだろうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 寺地はるな
感想投稿日 : 2024年1月14日
読了日 : 2024年1月14日
本棚登録日 : 2023年12月23日

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