シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと

著者 :
  • 河出書房新社 (2020年3月18日発売)
3.87
  • (38)
  • (54)
  • (33)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 582
感想 : 57
3

タイトルと表紙の絵のかわいさ、著者の過去作を読んでいたので、気軽な気持ちで手に取ってみた。

子育てというのは答えがないし(ある時代に一つの答えと思われているものがあっても、時代が変わればそれは間違いだった認定されることもある)、立場によって考え方や捉え方が変わるものだと痛感した。
著者の基本的な考え方は、ありていな言葉を使えば「自分らしくいること」、そして彼女の自分らしさとは、簡単に言ってしまうと「自由であること」だと思った。
私も自由はだいすきだ。母親だから自分を犠牲にして型にはまりなさい的な考え方は苦手。
しかしねぇ、小学生の男の子がオンラインで知り合った子どもに「裸の写真送って」と誰からかまわず言ってたら、さすがに注意するな、私は。
注意することで、次からコソコソやるようになるかもしれないから、なぜダメなのかもちゃんと伝えないといけないと思う。
それは、我が子だけでなく、他人の子でもそうだ。
著者の年下彼氏は、この出来事について「なにかいった方がいいのかな?どう思う?」と著者に質問してて、著者も子どもに価値観のおしつけはしたくないとか言ってて、私の理解の範疇を超えていた。
きっと、この家では大人が叱らないとわかってて、この子どもの家に遊びに来るお友達もいるのでしょう…。
私も親に価値観押し付けられて育てられた人なので、学歴重視の価値観には疑問を抱いてるし、学校のお勉強や絵の描き方とか、価値観を押し付けたくないと思う場面はたくさんあるけどさ。「善悪」は、価値観の押し付けとは違うと思うんだよね。
私は自分の子どもがいるから、そう思うのかな。子どもがいなかったら、著者と年下彼氏の教育方針にも共感できたんだろうか…。

著者がこの本の中で立ち上げに携わり店長を務めた日比谷の本屋(HMV 日比谷コテージ)、女性のための本屋、宝塚や舞台芸術について品揃えが良いということで気になって調べたら、もう閉店していた。
著者は、今は蟹ブックスという本屋さんをやっているそうだ。大きな店より、全て自分の目が届く、全て自分でできるお店が似合いそうなタイプだから、きっと良いお店なんでしょう。

エピローグとプロローグに登場するNさんは、ラストに本が紹介されてる長江貴士さんなんですかね。
このNさんのエピソード要るのかな?と私には思えたんだけど、著者の美学的に、本編だけでは嫌だったのかな…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・対談
感想投稿日 : 2023年10月2日
読了日 : 2023年10月2日
本棚登録日 : 2023年8月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする