一番面白かったのは、近未来社会の設定。
これは一般公募したもので作ったらしい。
この作業は大変だけど楽しそうだ。
話は2人の女性の場面が交互に描かれる。
共通しているのはどちらも不潔を嫌う。と言うより、生き物の体温や臭いから切り離される生活に慣れすぎている。
ただそれは、現代の私たちの延長線上にあるとも感じられるので、それほど違和感はない。
私自身、幼少期には身近にあったそれらから離れていることに気づかされた。
初め私は、しおりに主要な少女たちの名前と特徴を書いて、途中で確認しながら読んでいた。そうしないと見失いそうだったからだ。
やがて無機質な世界だけにいた2人が、生き物を感じる機会を否応なしに持つ。
するとどうだろう、登場人物みんなが急に生き生き動きだすではないか。
別々に動いていた話も有機的に絡まり一気に収束に向かう。
いったいどんな話だったんだろう。
読み終えた直後なのに、決してつまらなかったわけでもないのに、すーっと失われていく不思議な感覚に襲われた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月17日
- 読了日 : 2024年2月16日
- 本棚登録日 : 2023年12月21日
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