沽券: 吉原裏同心 10 長編時代小説 (光文社文庫 さ 18-23 光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社 (2008年10月9日発売)
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感想 : 23
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 吉原裏同心、軽~く読めるので、ついつい読み進めてしまう。
 沽券状という言葉を初めて知りました。店の権利を売る時などの、売主から買主に出す証文らしい。
 仮宅商い中の吉原を、今のうちに買い取ろうとしている一味の話。今回は敵のバリエーションより、敵の規模のほうが目を引く。田沼派残党、頑張ってるなーと思います。

 神守幹次郎様を調査剣術の両面で活躍させ、周囲の人が喝采を送るという基本スタイルが潔い。話の運びがテンポ良くて、神守様のもとには手柄がころっころ舞い込んでくるので、筋の粗い部分は気になりません。
 小田原まで足を運び、北前船も出てきて、大砲も登場しての、見映えの良さがいいなぁと。さらっと読み終えて満足できるのがいいところ。

 それにしても、大晦日までシゴト(という名の殺し)をして、正月元旦も人を斬り、2日には4人を半殺し、5日にまた斬って。
 間を置かずにばさばさと斬りまくる神守様の愛刀は、めちゃめちゃ使い倒されているなあと思ったり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 9 文学
感想投稿日 : 2017年4月10日
読了日 : 2017年4月10日
本棚登録日 : 2017年4月10日

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