謙信の軍配者

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年7月1日発売)
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感想 : 104
4

いやーおもしろかった。
3部作の中で一番おもしろかったかも。
なんつっても影虎のキャラクターがきわだってたなあ。
怖れを知らぬ、まっすぐな子どもかあ。
謙信大好きな人からしたら、ちょっと受け入れがたい設定かも。公家の涙にころっと心動かされるしねえー。
いやあ、おもしろい。こーゆー影虎のイメージは
いままでなかったわあ。
まあ、軍神ばりの神がかり的な戦いのセンスのよさ、ってのはそのままだったけど。
出家騒動だとか、聞いたことのあるエピソードもそのキャラクターでうまく描かれてて、結構説得力ある感じ。
しっかし、ほんっと強いよねえ。
つーか冬ノ助の出番殆どなかったじゃん。(笑)

一方、晴信の治世者っぷりもすげー。
その着実な歩みっぷり、いやあ、さすが風林火山って感じ。
あの有名な川中島の合戦を両者の思惑とともに、
臨場感たっぷりに読めて楽しかったー。
地理的にメッチャ弱いので、これ、もしかして、手元に各城の位置とかの地図があったらもっとおもしろく読めるかも。

ただの戦いもの、ってだけでなくて、晴信の雪姫を想う気持ちだとか、影虎の潔癖なまでの純粋さだとか、
そーゆーそれぞれのキャラクターの感情のゆれっぷりとか、それが戦いに影響したりだとか、そのへんの描かれ方もおもしろかった。

でも、ラストはちょっと哀しい。
小太郎は死の病の床についてるし、四朗佐は首とられるし。でも、まあ、それぞれが力のかぎり闘った末、だしね。冬ノ助が足利学校で好々爺になってるところ、みたみたいかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2014年5月6月読んだ本
感想投稿日 : 2014年6月6日
読了日 : 2014年6月6日
本棚登録日 : 2014年6月6日

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