老後の資金がありません

著者 :
  • 中央公論新社 (2015年9月24日発売)
3.74
  • (89)
  • (231)
  • (164)
  • (25)
  • (2)
本棚登録 : 1271
感想 : 200
4

新書のようなタイトルですが、こちらは小説。夫の定年とその後の再雇用まであと数年、頼りない長女も結婚と、次男の大学卒業と就職も決定。子供たちがようやく自立を迎え。自由な時間を待ち焦がれる50代後半の主人公夫婦。その老後の蓄えを急襲する悲喜劇が展開する。文章は読みやすく、ありそうな内容にどんどん引き込まれていきます。老後に向けてお金と向き合う参考になるし、夫婦、親子、親戚、友人関係などの人間模様、介護や葬式、年金の話題も興味深い。会社や組織はもう社員を守ってはくれる時代でもないし、人生100年、手に職をつけて独立したいと言っても、自営業になったからと言って決して楽なわけじゃない。どうしたものか考えねばならない、と言ったことをお説教じゃなくて物語の中で気づかせてくれる一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年4月1日
読了日 : 2019年3月31日
本棚登録日 : 2019年3月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする