新・国債の真実

著者 :
  • あさ出版 (2021年9月9日発売)
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この低金利時代には、銀行の定期預金なんかに預けるくらいなら銀行で個人向け国債の口座を作って国債を買う方がよっぽど良いということが分かる一冊でした。日本国債が暴落するようなときはその前に銀行自体が破綻しているのだから。

日本国債という「借金」が実際のところどのように売られたり買われているのか。金融の世界でどのように使われているのか。と言うことが本書では分かりやすく説明されている。個人で考えれば月収では買えないマイホームを買うための住宅ローンのようなものと思えば良いかもしれない。信用があってローンを組めるうちは問題ないし、マイホームという資産があるのだから投資のための借金である、と言うこと。
日本政府の場合はの資産と「子会社」の日銀まで含めて連結で考えれば国債の赤字分は相殺されて問題ないとのこと。「国債は返さなくても良いのだ」などと言うことないけれども、償還期限が来ても借り換えられる内は返さなくても良いのだなどとも説明されます。要は、現状では日本はまだまだ信頼されていて国債の買い手がいるので、まだまだ国債を発行しても大丈夫だし、財務省に洗脳されて増税して経済を落ち込ませる必要は無いという主張です。教育、子育てへは未来への投資なので、必要なお金は国債発行で賄うべきかもしれない。でも無限に国債発行額を増やしていけばどこかで日本の信用が破綻するはずだから、そのことについても何らかの説明が欲しいところだが、その辺の話は全くなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会・経済
感想投稿日 : 2023年3月3日
読了日 : 2023年2月28日
本棚登録日 : 2023年2月27日

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