涙 上巻 新潮文庫 の 9-15

著者 :
  • 新潮社 (2003年1月29日発売)
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本棚登録 : 1399
感想 : 115
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友人から面白いと勧められた本。

娘が沖縄の宮古島に旅行に行くと聞き、母親の萄子は封印していた自分の過去を思い出す‥‥。
警察官の婚約者、奥田勝が、結婚式を控えて準備を進めていたある日、行方不明になってしまう。それは、彼が慕ってきた警察の先輩、韮山の娘の死に関係しているらしく、萄子の元に勝から「自分のことは忘れてくれ」と一本の電話を残して、音信不通になってしまう。

乃南アサの本は初めて読みました。婚約者のお嬢様暮らしの世間を知らない萄子の心の葛藤や執念、それを目の当たりにする家族の気持ち、娘を殺された韮山の怒りや悲しみ、焦り、親に隠していた娘の本当の姿を知った衝撃や葛藤が、ぐいぐい迫ってまるで映像を見ているような心理描写に長けていて一気に読んでしまいました。

確かに大好きだとしても、萄子のように、あそこまでは追いかけられないな。納得できないままでも、そのままうやむやになってしまいそう‥‥。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年5月8日
読了日 : 2017年6月7日
本棚登録日 : 2022年5月8日

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