木の匙

著者 :
  • 新潮社 (2005年10月22日発売)
3.65
  • (12)
  • (13)
  • (29)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 146
感想 : 16

ドアは厚く、閉まる時はがちゃりと重い音がしなければならない。

心地よさには、節度と解放のバランスが大切なのだ。

モノって不思議なもの。はじめは実用品として作られたはずなのに、いつしか暮らしから忘れ去られ、使われなくなる時がやってくる。でも、それまで当たり前のように1つだった「用」の役割から離れ、どこか肩の荷を下ろして楽になったモノたちが、とても純粋な物質の表情を見せてくれることがある。

それは見た事はあるだろう。しかしだれも見つめた人はいない。アートとはそれなのさ。ありふれたものを、それらが今まで1度も見られたことがなかったのごとく見つめると言うことなのさ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月17日
読了日 : 2020年7月14日
本棚登録日 : 2020年7月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする