タイトルが、まず、いい。帰れぬ。どこへ?人びと。私だけじゃないんだ。短編という中編小説。匂いがすごく刺激される。いい匂いではないんだけど、その町特有の匂い。川の匂いだったり、そういう匂い。昭和中期。経済成長で開発される町並みの中に取り残された場所や開発しきれなかった恥部。そういうものを感じる。切ないでもノスタルジックでもなく。ちゃんとやれよ。っていう苛立ちに近い感情。家を失い、故郷がない人びと。「家」が変える場所ではないし、家はただのいれもので、中身が変われば居住まいすら変わる。理不尽で不確かなものだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
. 鷺沢萠
- 感想投稿日 : 2021年7月23日
- 読了日 : 2021年4月9日
- 本棚登録日 : 2021年4月9日
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