黒い太陽

著者 :
  • 祥伝社 (2006年3月1日発売)
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本棚登録 : 409
感想 : 58
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 立花の母は、彼が生まれた時から夜の女だった。
 そんな母がある日、スナックの常連客と駆け落ちをして姿を消した。
 篤の父、真一は、厳格な性格で情に深く、決して人を欺くようなことはしなかった。
 篤は父を尊敬していた。
 そんな真一がある日、脳溢血で倒れ、植物人間と化した。
 主人公の立花篤は父の入院費を稼ぐため、最も嫌っていた、母と同じ水商売の世界に足を踏み入れた。
 キャバクラに勤めた篤は、そこは学歴も年齢も関係がない実力主義の世界だと知る。
 風俗王の藤堂観光社長の藤堂猛と会い、その才を見込まれた篤は、どんどん夜の世界に染まっていく。
 ドロドロの夜の世界に身を置いた立花は、自分の性格が変わっていく現実に本当の自分はなんなのかも分からなくなっていく。

 以前テレビの深夜ドラマで放送していたが、その時は見逃した。
 全般はテンポよく、立花篤の下剋上の様子が分かりやすく読み進められたが、後半になるとオーナー社長となった篤のダークサイドの面が表に出て来て、少し不快になり、読み進むテンポが遅くなった。
 最後は立花が売春防止法違反の容疑が掛けられるところで、終わる。
 続編の「女王蘭」へとつづく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 水商売
感想投稿日 : 2024年1月21日
読了日 : 2024年1月20日
本棚登録日 : 2023年6月23日

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