「能力」の生きづらさをほぐす

  • どく社 (2022年12月21日発売)
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自分の経験を思い返しても自身を含めた人のある瞬間を切り取って「できる・できない」の能力判定をし、あたかもそれがその人の全てであるかのように断罪していたことに気がつき、それがいかに不毛な行為であるかを知った。
今後この世界が能力至上主義から抜け出すことはない(むしろ加速していく)だろうことを思うと、自分が学び続ける・変わる柔軟性を維持することは大前提として、無能の烙印を押された/自分が無能なのではないかと感じた時は
・人間関係の捉え方を見直してみる(思い込みや過剰な期待をなくす)
・相手の視点・価値観を知る努力をする(*受け入れられるかは別として)
・環境を変える
などの対応策をその都度とっていく必要があるのかなと考えた。
自分が組織を管理する側であれば問題の原因を個人の能力に矮小化せずに環境調整に注力するのが理想だろう。

対話型の文章はひとつの論点を別の表現で言い直したり、思考の過程を一歩ずつ踏めることで分かりやすさに繋がっていると思う。一方で個人的にはその表現がまどろっこしいというか、変な合いの手で話の腰を折られ読み進めづらいと感じるところもあった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月22日
読了日 : 2023年2月22日
本棚登録日 : 2023年2月19日

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