最初、この本を書店で見た時は嫌悪感があった。
「また『JKが〜』とかいうやつかよ。JKブランドを全面に出せば売れると思ってるわけ? で、今度はJKがインド行った話かよ。これがJKじゃなくて普通のオッさんがインド行った話なら売れないよね…」
とかなんとか思っていた。
しかし、書店員おすすめと猛プッシュしていたので、騙されたと思って読んでみることにした。表紙の雰囲気も可愛いしね。
だが、読んでみると、「JKブランドで押している嫌な本」という先入観がぶっ壊された。食わず嫌いせずに読んでよかった。
中3の夏、父親の仕事の都合でインドへ引っ越すことになった著者。そこで見たインクレディブル・インディアの数々。それを面白おかしく、表現力豊かな文章で見たことや感じたことが書かれている。
前半部は「インドってカオス過ぎるwww」と笑って読め、後半部はインドの貧困やストリートチルドレン、スラム街の話などインドの影の部分に心を痛めた。
雑にまとめてしまうと『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』のJK版みたいな感じ。ただ、あちらは思春期の子をもつ母親の目線だけど、本書は子ども自身の目で描かれたインド滞在記。
これこそ著者の「今しか書けない本」だと感じた。子どもの瑞々しい感性と好奇心が綺麗に言葉になっていて、とても惹きつけられる1冊だった。読み終えた時には「JKブランドを武器にしやがって…」と嫌悪感を抱いた自分を恥じた。それくらい心に刺さる良書である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年5月3日
- 読了日 : 2023年5月3日
- 本棚登録日 : 2023年5月3日
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