この作品って、第一話前半部分の印象とその後の物語の方向性がかなり異なっているのだけど、それは第一話において主人公であるスミレの認識変化を丁寧に描いているからなのかもしれないね
第一話時点でのスミレは、飼い主に何も出来なかった事を悔いて新しい主人の為になろうと奮闘する少女。だから視野も狭いし純粋そのもの
でも、スミレの居る魔界は数百年前に魔王の争いが起こった余波によって歪さを含んだままの世界
何も知らず弱いままのスミレでは食い物にされてしまう。それこそ尽くそうと思っていた氷の魔女にコレクションにされかけた時のように
スミレが新たに必要とされた場所はそれまでと全く異なるもの。仕えるのは主人ではなく社長だし、メイドとして求められる仕事は家事掃除ではなくスパイ活動じみたもの
でも、そこに裏切られる恐れはなくて、自分にしか出来ない技能が必要とされる場所。スミレにとって安息の場所となるのだろうと予想するのは難しくない場所
そこからの物語は職業物っぽさやスパイ活動っぽさが入り混じったお話。それでいて、舞台が魔界だから相手となる登場キャラクター達は見た目も性格も一癖あるものばかり
一方で潜入するスミレ達も猫又にアンデッドに人造人間と多種多様
そんな状況で目的となる魔王の魔力がどのような形で隠されているのかと探る工程はちょっとワクワクしてしまうものだね
また、潜入活動の中ですみれ達の絆が少しずつ強まっていく流れも良いね
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2021年8月3日
- 読了日 : 2021年8月2日
- 本棚登録日 : 2021年7月30日
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