酒と恋には酔って然るべき(3) (A.L.C.DX)

  • 秋田書店 (2019年9月13日発売)
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本棚登録 : 281
感想 : 12
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超優良物件に見える伊達を前に独占欲や焦りを見せる松子の姿はどこか生々しい。けれど、そういった感情を変にシリアスに描くのではなくコミカルに演出するものだからストレス無く笑いながら読んでいられるね
また、迷走してお酒に逃げてしまいがちな松子に白石が鋭いツッコミを入れるものだから話が単調にならないのもいい感じ
本当にこの作品において白石の存在は一種のバランサーになってますよ


そもそも松子と付き合い出した筈の伊達に他の女の影が有るという点がまず問題では有ったし、松子の焦りをあんまり理解していない様子であったのは意外なマイナス点に見えていた。
特にホワイトデーのプレゼントとして高級ディナーに誘うけど、その理由を食事の後半まで明かさなかったことで結果的に松子のテンションを急上昇&急降下させた辺りとかは「おや?」と思わずに居られなかった
他にも松子と呑んでいる場所に他の女友達を呼んでしまう態度とか、あの今泉をあっさりサシ飲みに誘ってしまうとか……

だから超優良物件伊達の問題点はそういった飲みに誘うスタンスが軽すぎる点であり、それが致命傷になるのかと思いきや……
やっぱりこの人真摯すぎるよ!時間はかかったけど、松子が自分の呑みの関係を気にしているのを知って人付き合いを制御し始めて疲弊するとか中々出来るものじゃないよ!


一方、美森と破局に近付く今泉……
くっつくのが突然なら別れるのも突然ですなこのカップルは。互いに恋愛感情に対してシニカルであるためか…?

付き合って、別れて、そして相手の評価をようやく落ち着いて出来るようになって
そうしてやっと見えてきた松子の今泉へ向ける感情の正体。
結局松子にとって最も大切な価値観って一緒にお酒を楽しむことが出来るかどうか、って点なんだろうなぁ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2020年11月7日
読了日 : 2020年11月6日
本棚登録日 : 2020年10月20日

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