半端な神が召喚され、それにモリガンが対峙するという混沌を極めた状況。ここにリズベスの為に用意されたアダムの呪いも存在するのだから、ただの学生でしか無いチセ達に出来る事なんて無いように思われる
だというのに、神の様は事態を収束させてはくれないんだ
人が起こした業は人が収めなければならない
だとしたら、事態の発端に居るリズベスと強い因縁を持つフィロメラが何とかするのが望ましいわけで
かといって、この場にいる人間はフィロメラだけじゃないし、そもそもフィロメラを助けたくてチセ達はここまで来たのだからフィロメラ一人に無茶をさせるわけがない
拳骨と共にフィロメラの誤りを修正したルーシー達は格好いい
一方でこういう場面で誰にも相談せずに無茶をしてきたのがチセという人間
…なのだけれど、一応はエリアスに相談している点、自分だけが犠牲になればいいと考えているわけではない点はこれまでと異なるものだね
誰かを傷つけない、無闇に自分を使わない。その術を知る為にカレッジに入ったチセ。その成果が見えたシーンだったよ
沢山間違えても、自分を信じてくれた学友達の協力でリズベスの前に辿り着いたフィロメラ
彼女の慟哭はこれまで言いたくても言えなかった言葉の連なり
自力でリズベスの呪いから脱した彼女は自分を変える第一歩を踏み出したと言えるのだろうね
そうしてフィロメラを含め、チセ達の家へ戻れたのは良かったなぁ
銀の君が住まうあの家は穏やかさの象徴であると改めて感じられるよ。あと冬至の双子やらモリガンの生まれ変わりやらが現れると、本当の意味であの家に戻ったのだとも感じられる
そのような魔法と穏やかさに満ちた場所で歓待を受けられたなら、フィロメラももうチセの友達のようなもの
というか、フィロメラを案じてリアンまで集まってきた。それを思えば、彼女はもう独りではない
これからは明るい人生が始まるのではないかと思えるね
いわば第二部が終了したような状況。それでも全ての謎が明かされたわけではなくて
第二部では目立った動きをしなかった者、目立った動きをした者の影に隠れていた者
それらが全て表沙汰になるのが次巻からのエピソードになるのだろうか?
- 感想投稿日 : 2023年4月9日
- 読了日 : 2023年4月8日
- 本棚登録日 : 2023年2月26日
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