絢爛たるミザナビーム。
人々から忌避され独り庭園に棲む女童が王子に語り始めた物語は、次々に語り手を変え次の物語を語り紡いでいく。
生い茂り枝葉を伸ばしていく物語の中で、再会しその消息を知ることのできた者もいる一方、女庭師や鵞鳥の娘、その先を知りたくなった者達もいて、童子のように更に女童に続きをせがみたくなった。
絡み合う蔓草のような縁(えにし)の糸で編み上げられ織り成されたその織物は、馥郁たる異国の香油と花の薫りの匂い立つ、血の赤と夜の漆黒、哀しみと別離で彩られた、気高い女達を讃えたタペストリーとなっている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年1月20日
- 読了日 : 2019年1月20日
- 本棚登録日 : 2019年1月20日
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