人間の認知や心のプロセフの問題を、脳の働きを表象と計算主義的なモデルだけで説明するのは無理がある。それは必要な説明形態だが、それだけでは足りない(捨てるわけではない立場)。
心のプロセス(自己、意識に限定されないもの)が、環境と可塑的に相互作用、共進化する行為認識の中にあることを強調する。本書でも触れられているが、ギブソンのアフォーダンス、メルロ=ポンティの身体的な意味論と共振するような考え方だ。
外部の媒体を利用することで、脳が働くプロセス自体を省エネがする動的な行為的認知のあり方を繰り返しといている。大著だが正直主張しているのはこれだけだ。
心のプロセスのイメージとしては、沢山の非言語的エージェントが蠢く非集権的なサブシステムの集合というデネットのイメージに近い気がする。
ハードプロブレムの議論は避けられている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
科学
- 感想投稿日 : 2022年9月19日
- 読了日 : 2022年9月19日
- 本棚登録日 : 2022年9月19日
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