苦役列車 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2012年4月19日発売)
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本棚登録 : 3765
感想 : 450
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結局犯罪者の家族は、一生それが付きまとい幸せにはなれないのだろうか。
この作品のカンタは中卒で日雇いで生計を立てていて、将来のことなど全く考えていない。おまけに神経質でプライドばかりが高いが、劣等感の塊で非常に扱い辛い。
だが、一つ思うのはこういう性格の人間は、世の中には大小あるがかなり多く居ると思う。とくに男性は学歴やら役職やらで人間を評価している部分があり、それが低い人間は何かで補おうとするが劣等感になってしまう。本当の人間性の深い人というのは、そんな所では評価されないのに、そういう人は不幸だ。
カンタはそんな性格の持ち主なのに、よくぞ小説家を志すまでになったと感心する。おぞましい犯罪者にはならなくてひとまずはホッとした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年12月29日
読了日 : 2018年12月28日
本棚登録日 : 2018年12月28日

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