無駄には三種類あるという。「ムダ」は自覚している無駄。無駄と感じていながら、ついついやってしまう。「むだ」は、最初は良かれと思ってやっていたが、結果的に無駄になってしまったようなもののこと。そして「無駄」は原因が本人にはなく、自分ではどうすることもできないもの。だから取り除くのが難しい。無駄を取り除くには無駄が見えないといけない。無駄の見える可。プロセスを細かく分けることで無駄が見えるようにする。そしてそれを取り除く。著者は長年の渋滞研究の中から、「無駄」ということに興味を持ち「無駄学」にまで持ち上げてしまった。中身の大半はメーカーなどの生産現場での無駄取りにさかれている。どちらかと言うと経営学の本のよう(経営学の本なって読んだことないですが)。実は本書を読んでいると、まだまだ著者自信のことばになっていないところが多く、前作の「渋滞学」に比べると、読みやすいが内容の薄さが気になった。ただ、著者自身があとがきで言っているように、これからは科学者であろうと、遠慮せずもっと社会のこと経済のことなどにも口を出していくべきなのだと思う。本書がそういうきっかけになればよいと思う。「無駄を分類していくうちに、資本主義の今後を大きく左右する大問題にぶつかった」という前書きのことばで、即購入してしまったが、残念ながら最終章まで読んでも、今までにいろいろなところで読んできたような話が多く、「なるほど!」と思えるものはさほど多くなかった。ただ、仏教の考え方としての「幸せ=財÷欲望」というのは確かにそうだと思えた。
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西成活裕
- 感想投稿日 : 2015年3月23日
- 本棚登録日 : 2015年3月23日
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